サクラ花火短編集(大)

□【其ノ十二】天上の花
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「着たかー?彼岸。」




―…ガチャ




「……どういうことだこれは。」



「ははっ!!似合うじゃねーか!!」











神太の邸宅に着いた彼岸は、神太に渡された洋装のドレスに身を包んでいた。




「それと…ほらよ。」



「…!!小刀…?」




「お前には俺の用心棒をしてもらう。」



「…!!」




「俺は財務大臣やってるんだが、どうも金がらみってのは命を狙われやすくてなぁ…だからって用心棒を従えて商談に挑めないことも多い。」




「なるほど…お前自体は弱いわけだし一発だよな。」



「しばくぞ貴様。」




笑いをこらえる彼岸に神太は仕切り直して続けた。





「だから俺の嫁のふりをして用心棒をやってもらう。」







「………よっ…嫁ぇぇぇ!?????やだ!!!!!!」



「…だれも本当に結婚しろとは言ってねーだろ!!」




「だからって…何で嫁…。」



「西洋では婦人を連れて社交場に出ることが多い、そしてそんな所は大概用心棒なんて連れて入れねぇんだよ、まして女が用心棒なんて誰も思わねぇだろうからな。」





「な…なるほど…。」




「それにお前は今まで二刀流で刀を使ってきた、小太刀の使い方も上手いだろ。あ、その刀は服に隠しとけよ。」




「わ…分かった…。」





ゴクリと唾を飲むと、彼岸は神太から受け取った小刀を懐にしまった。





「いいか、一緒にいる時はフォローするけど、一人の時はニコッと笑ってごまかせよ?」



「わ…分かった。」



「ほら、んなツンケンした顔してねぇで笑ってみろ、ほらニコ〜♪」



「ははっ…なんだそれ!!お前…顔変だぞ!!」










神太の変な笑顔に彼岸は思わず吹き出した。








「可愛く笑えるじゃねーか。その笑顔で頼むよ。」











「…!!」





思わず顔を赤らめた彼岸の頭をポンとたたくと、

神太は一通りの神太の回りの人間の説明と館内の説明をして回った。







「ざっとこんなもんだな。とりあえず、この日本国のトップに挨拶でもしに行くか。」




「に…日本の…トップか…。」




分かりやすく緊張で顔を強ばらせる彼岸を連れ、

神太は"日本のトップ" の部屋をノックした。



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