サクラ花火短編集(大)

□【其ノ六】とある俊輔の昔話
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ー…ガシャーン!!!!!!!











「ひっ…あ…朝倉…親瑛…!!」












ー…バキッツ!!!!









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「朝倉…お前は何も問題を起こさず登校することは出来んのか!!」




「…。」




「おい!!朝倉!!ちょっと待て!!」





ー…バタン!!




「三年の朝倉親瑛ですか。彼にも困ったもんですねぇ。」


「…坊主のような名前をした鬼ですね、ありゃ。」







当時の親瑛は、その驚異的な喧嘩の強さと近づきづらい風貌で、

喧嘩に窃盗、薬に果ては人身売買までやっている、などとあられもない噂が飛び交っていた。






ー…ドンッ!!


「きゃっ!!」


「ああ…悪い。」




「あ…きゃあああああ!!」



ー…バタバタバタyッ!!





「…。」






「相変わらず化け物扱いだね、親瑛。」







「化け物を踏み台にしてのしあがったヒーローがよく言うわ。」








かたや当時の侑は、親瑛の喧嘩を仲裁し、唯一この学校で"親瑛を止めた人間"として重宝がられ、周囲に生徒会長まで押し上げられていた。




「俺だってやりたくてやってる訳じゃないんだから…むしろ今すぐにでもクビにして欲しいよ。」



「いっそ化け物倒して殿堂入りしちまえ。」



「まったくひねくれてるんだから…あ、サボらず授業受けなよ!!親瑛!!」




「はいはい。」




そう気だるげに返事をすると、親瑛は一人教室とは逆方向の裏庭へと歩いていった。





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「親瑛さ〜ん!!」






「…俊〜輔〜…!!またお前こんなとこ来やがって!!お前は自分の学校に行け!!」


「だって学校なんて行っても楽しくないッスもん…。ていうか親瑛さんに言われたくないッス!!」



「はぁ…。」




俊輔はすぐそばの中学に通っていたが、こうして度々学校を抜け出しては親瑛の高校に遊びに来ていた。






「なんだお前仲間外れにでもされてんのか。」


「べ…別に…そんなんじゃ…無いッスけど…。」





少し曇った表情でこぶしを握り締める俊輔に、親瑛は寝転がりながら笑って言った。







「俺は全校生徒から仲間外れにされてるぞ。」





「親瑛さん…。」








親瑛の言葉に俊輔は顔を上げると、震えるこぶしで目をこすり、ニッと笑った。


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