サクラ花火短編集(大)

□【其ノ八】大切な日々
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「あっ…ぶなかったな〜!!!セーフ!!」



「親瑛〜!!!!何がセーフだ!!死ぬわ!!!!」









「うるせー、桜をお前の胸に飛び込ませてなるもんか。」



『いたた…。』





墓の裏手の原っぱに転げ落ちた三人は服に付いた草を払った。





「ん、親瑛その花…。」




侑が目をやった親瑛の手には、色とりどりの花束が握られていた。





「勘違いすんなよ、これはお前にじゃなくて総助に持ってきたんだ。」



「親瑛…じゃあお墓に先にあった花は桜さんが…?」




侑が桜を見ると、桜は笑いながら頷いた。







「二人ともありがとう…俺が言うのも何か変だけど。」









そう言って侑が笑うと、二人も顔を見合わせ笑った。





『…にしても墓地の裏手にこんな広いとこがあるなんて知りませんでした。』



「懐かしいなあ〜昔はよくここで遊んでたんだがなぁ…俺も忘れてたよ。」



「ホントだね…。」






墓の裏手に広がった原っぱは草が生い茂るでもなく明るく開けていて、不思議と懐かしい気分になる場所だった。



原っぱを見渡す二人に、桜が思いついたように言った。




『折角なんで…遊びませんか?ここにバレーボールもあることですし…!!』



「お、いいな!!じゃあ球落とした奴、今晩の飯おごりな!!」



「よーっし、やろう!!」




そう言って三人が立ち上がると、桜はボールを打ち上げた。




―…ポンッ


『私昔バレー部だったんで負けませんよ〜!!はい、親瑛さん!!』



「俺だって野球部だったから負けん!!どりゃあ!!!!」


―…バシィッッ




「…これ絶対野球関係ないでしょ、はい桜さん!!」











うららかな午後、

三人の夕飯を賭けた激闘は、その後一時間以上続いたのだった…。



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