Angel Beats!-another story-【分岐END[Rパート]】
□Rebuilding the BondsA
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「くそ、何なんだこいつらは!!」
向かいの校舎から乾いた破裂音が連続で鳴り響く。
二人は背中合わせになって、戦線のメンバーだった時に持たされていたのだろう銃を乱射していた。
焦っていたからではない。
それだけ“影”が数で圧倒していたからだ。
そして二人は廊下の両側から挟みこむようにして襲われていたため、逃げることもできなかった。
その状況を例えるなら、ホラー映画の主人公とヒロインが襲い来る無数のゾンビ達を相手している場面だ。
動きは遅いが、次から次へと押し寄せてくるゾンビの数に銃弾はすぐに底をつく。
「弾がもう持たないよ!?」
「くそがぁ!!」
銃が使えなくなるのも時間の問題だった。
そして銃が使えなくなれば、二人はあっという間に“影”に取り込まれることになるだろう。
そう、あの高松のように…。
それだけは絶対に避けなければならなかった。
二人が何もかもを忘れてしまったら、楽しかったあの日々の記憶を失ってしまったら、俺のことを忘れてしまったら…。
俺には何も残らない。
なのに――
「どうすりゃいい…」
俺は頭を働かすばかりで、動かすべき体が全然動いていなかった。
一度下に降りて二人の元に駆けつけるか?
いや、今からでは間に合わない。
第一、 今まで戦闘を避け続けてきた俺に何ができる?
行っても足手まといになるだけだ。
では別に何か方法がないか?
そんなことばかりを考えていた。
時間が俺を待ってくれるはずもないのに。
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