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□ごちそうさま!
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全く、どいつもこいつもバカばっかりなんだから……あら、サンジ君、目、覚めた?良かった、心配してたんだからね!
え?ここ?医務室よ、い・む・し・つ!
なんでって……覚えてないの?溺れたのよ、サンジ君!覚えてない?…そう、ま、いいけど!
朝、海賊に遭ったのは、覚えてる?
やだ、それも覚えてないの。
…まあ、小物だったし、怪我した人もいなかったんだけど…サンジ君が敵を蹴り飛ばした後、私とロビンの方向いて、「どう〜?ほほほ惚れなおしたあ〜?」なーんてバカみたいにメロリンやってたら……
え?酷くなんてないわよ、本当の事じゃない。
で、メロリンやってたら、―――ああ、サンジ君船の縁に立ってたんだけどね、足滑らせて、縁に頭ぶつけちゃったのよ。
もう、すっごい音だったわよ!ゴツーン!って!
あ、まだ頭痛い?湿布替えたげるわ……うわ、腫れてる…。
よし、いいわよ!
…ん?「それで」って?
……ああ、それで、そのままサンジ君海に落ちちゃって……まだ敵いたから、すぐサンジ君助ける事出来なくてね、まあサンジ君の事だから、すぐに浮いてくるだろうと思ってたら、いつまでたっても浮いてこない。
そしたら、ゾロが血相変えて海に飛び込んでね、
…え?そうよ、ゾロよ。「コック!」って叫んで。
で、ゾロが引き上げてみたら、サンジ君、相当水飲んじゃってたみたいで、息してなくて。
もう、大変だったのよ!
ウソップとかチョッパーとかが特に取り乱して!
で、人口呼吸して、ようやく水吐き出して…
は?バカね、あたしなわけないじゃない!ゾロよ、ゾロ!アイツがしたの!
もう、すっごい真剣だったわ、アイツ。
何回も息吹き込んで、それでもなかなか、サンジ君息吹き返さなかったから。
アイツ、「クソ!」って言いながら、何度も懸命に鳩尾押して、何度も息吹き込んでね……。
………どうしたのサンジ君、顔、ほんのり赤いわよ?
もう!なんでもないわけないでしょ?バレバレなのよ、サンジ君。
…ふふ!愛されてるわねえ、サンジ君?
あーはいはい!顔赤くしながら否定したって意味ないわよ!
さて、サンジ君も無事目を覚ましたことだし、ゾロ、呼んで来るわね!
え?いい?
なーに言ってんのよ、バカね!お礼くらい言いなさい!
じゃ、いいわね、すぐ呼んで来るから、そこでおとなしく待ってなさいよ!
…あ、そうだ、サンジ君!
ふふ、いいもの見せてもらったわ!ごちそうさま!
【ごちそうさま!】
end. (10/08/13)