HAPPY BIRTHDAY
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正直、困っています。
アイツへの誕生日プレゼント。あと2日しか無いというのに、何をあげたら良いものか、皆目検討もつきません。
(ああ、まったく、ほんと、困った。)
とか考えてるうちに、帰りのホームルームは終わってしまっていました。(あれ、いつの間に。)
とりあえず、部活へと急ぐゾロに声をかけます。
「あ、おい、マリモ!俺今日先に一人で家に帰ってるわ!」
「あー、わかった、りょーかい。飯は?」
「今日は煮物と混ぜご飯!じゃ、部活頑張れなー!」
「ああ」
それだけ言うと、ゾロは部活へと向かいました。それでは俺も帰るとしましょう。
学校をでて、のろのろ歩きます。
赤い屋根の家
傾いた電柱
ねこじゃらしの空き地
ボケたじいさんのいるタバコ屋
ぼんやり通り過ぎながらも考えます。
さてさて、何をあげましょう。
(…オニギリ。)
いやいや、馬鹿か俺。
(…腹巻き。)
…どーなの、それ。
(……刀。)
いやそもそも手に入らねえだろ。
(……美味い酒。)
うーん、それ去年やったし。
(…………。)
(………………俺、とか。)
「いやいやいやいや、何言っちゃってんの俺馬鹿じゃないの俺ってか馬鹿だろ俺えええ!!!」
一人帰りながらぎゃあぎゃあ騒ぐ俺です。
もしかしなくとも、完璧アブナイ人です。
(さっきレディー達が「しっ!見ちゃダメ!」とか言ってんの聞こえたし。)
これもあれも、マリモのせい。
(あああ、ほんと困った!)
to be continue...