HAPPY BIRTHDAY

□2
1ページ/1ページ




正直、ものすごく困っています。

アイツへの誕生日プレゼント。だってあと1日しかありません。ああ、もうどうしたら。


散々考えたけれど、アイツの欲しいものなんざさっぱりわかりません。
良さ気なものを思いついたと思えば、ああ、もう以前誕生日にあげたものじゃあありませんか。

お手上げ。もうギブアップ。ネタ切れです。




そんなこんなで、また学校が終わってしまいました。いつもは真面目に授業を聞いている俺ですが、今日はさっぱり聞いてません。はあ。(…後でウソップにノート貸してもらお。)


そんな俺の思いも露知らず。今日も今日とてゾロは部活へと急ぎます。

「あ、マリモ!今日も俺先に帰ってっから!飯は海鮮パスタな!」

そうゾロに呼びかけると、ちょっと眉間にシワを寄せて振り返りました。(つか、なんでシワ?)

「…今日もか?」
「おお」
「…分かった」
「じゃ、頑張れよ、部活!」
「……おう」


ゾロにくるりと背を向け、さあ、帰るとしましょう。出来れば今日中にプレゼントを用意しておきたいのです。マリモに構ってる時間なんて、これっぽっちもありません。



頭の中でうんうん唸りながら学校を出て足を進めますが、一向にいいプレゼントを思いつきません。

「はあ、」

いっそゾロに直接何が欲しいのか聞けばいいんでしょうけど、俺の性格がそれを許しちゃあくれません。

我ながら捻くれてるな、と思いながらのろのろ歩きます。


赤い屋根


(はあ、たまには素直になった方がいいのかもしんねえけど)


傾いた電柱


(だって、その、なんだ…なあ?)


ねこじゃらしに囲まれたボロい店


(っていうか今更素直になるって、どーすりゃいいんだ、クソ、)






(……あれ?)







はた、と立ち止まって振り返ります。



(あれ?)

(あれれ?)









ねこじゃらしに囲まれて、静かに静かに佇むボロい店。



そこは確かに昨日までは空き地だったわけで。







(あれれれ、れ?)









to be continue...














 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ