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□ハート
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おれたちのひみつきちであそんでいるときだった。


「…なあ、おれ、おまえみるとなんだかしんぞうがどかどかいうんだ」

そういったぞろのひだりむねにてをそえると、たしかにどかどかあばれてる。

「いたむのか?」

「ちょっと」

こんだけどかどかしていれば、そりゃいたむだろうな、とおれはおもった。

もしかしたら、あかくはれているかもしれない。




「じゃあ、これやるよ」

おれはぽっけからまっかなせろはんにつつまれたあめをひとつぶとりだした。


「なんだ?それ」

「あめ。あまいのたべると、いたいのってどっかにとんでっちゃうんだってさ。じじいがいってた!」

「へー、そうだったのか、しらなかった」


おれはせろはんをかさかさとあけ、まあるいあめだまをつまんでみせた。

ほんとはおれがなめたかったんだけど、しょうがない。

このあめでぞろのいたいのをとってやれるんなら、やすいもんだ!



それをぞろのくちにもっていき、ぐいっとおしこんだ。

ぞろのまえばとあめがぶつかり、から、とおとをたてた。



…なんだ?なんか、おれまでしんぞうがいたい。

いたいのって、うつんのかな。










「……そういや…」


ぞろがぽつんとつぶやいた。

いたいの、なおったのかな。







「おまえ、ひっこすってほんとかよ」











どきりとした。







「……なんでしってんだよ」


「……なんでいわねぇんだよ」


「………………」


だって。



だって、だって。




「…………おれだって、いきたくねぇよ……」




おれのこえは、すっごくちっちゃかった。

だからぞろも、ちっちゃくかえした。





「………まってるから、ぜったいかえってこいよ」






おれはびっくりしてぞろのめをみる。



ほんと?ほんとにまっててくれんのか?いつになるかわかんないのに?




「おとこににごんはねぇ!」



おれのきもちをよんだようにぞろがいうから、おれはおもわずないてしまった。



わあわあないた。



ぞろ、ぞろ、って、いっぱいよんだ。


かっこわるいな、とおもったけど、しょうがないんだ、おれはまだこどもなんだ。




「なくな、さんじ」



そういってぞろはおれのくちびるに、ちゅう、とすいついてきた。


おれ、しってる。


これ、"きす"っていうんだろ。

だいすきなひととする、あいさつ。



ぞろがくちをあけて、いくぶんちいさくとけたあめだまをおれのくちにおしこんできた。


「むぐ」



あまい。


すんごくあまい。




「いたいのとれたか?」

「………おれ、いたいなんていった?」

「いってねぇけど、いたそうにしてたろ。なおったのか?」



ひだりむねにてをあててみる。

どっかんどっかんいってるけど、ふしぎといたくはない。

むしろ、なんとなくここちいい。


「……なおった」


そういうと、ぞろは、にかっとわらった。

















(あんときゃ俺ァまだ6才だったか…)



うーん、昔は俺も可愛かったな、なんて思いながら懐かしい小道を歩いた。

おれとあいつしか知らねェ、秘密の抜け道。


俺達の秘密基地があった大きな木が見えた。



その下に、ずいぶん大きく育ったマリモを見つける。



ああ、やっと。










「ただいま」







ぽつりと呟けば、夕日で髪まで赤く染めたマリモが振り向いた。












ハート
「おけェり」










子ゾロ×チビナス。げろ甘\^p^/
ポルノの『ハート』という曲に興奮して書き上げた駄作…!!
まとまり皆無。泣きたい^^^^^


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