だからどうかぼくをあいして。

▼書込み 

11/11(Thu) 01:15
SSS

「そんなに死にてえなら死ねばいいだろ。誰も邪魔なんてしやしねえよ」


もういや。死んでしまいたい。
嗚咽混じりに、けれどはっきりとそう叫んだ私の背に氷色の言葉を投げつけたのは、私の大好きな、私の大切な、私の親友である彼女でした。


ねえ、貴女までそんなこと言うの?

「……酷いこと言うのね」

体の奥の方から込みあげてくる闇色に勝てず、私はそんな言葉を吐きました。

「あ?」
「死にたいなら死ねばいい、なんて。ほんきで死にたいひとが死にたいなんて口にしないの知ってるくせに。私が死ねないの知ってるくせに!私が助けてほしいって知ってるくせに!!」

叫んだ、というより、吠えた、という表現の方が正しい私のそれに、彼女は先程と同じ声で応えました。

「ハッ。酷いのはテメエの方だろうが」

私?
私の何が酷いって言うの。
弱さ?ずるさ?臆病さ?それとも別の何か?
私には悲しむことすら許されないとでも言いたいの?
衝動的に、私は彼女の方を振り向きました。
思い浮かんだ言葉をぶつけてやろうと思ったからです。
けれど、彼女を見た途端、私の喉は声を生み出すのをやめました。
否、出来なくなったのです。

「テメエのことを好いて大切だと思ってるオレの前で壊れたオルゴールみてえに死にてえ死にてえって繰り返しやがって。その度オレがどんな想いでいんのか、テメエ一度でも考えたことあんのかよ!」

すう、と。
彼女の頬を、透明な涙が伝っていきました。




<ひどいひと>
(テメエが傷付いたときにテメエだけが傷付いてるとでも思ってんのかよ)

―――――――――――

被害者は加害者であり、加害者は被害者である。
ほんとうにひどいのはどっち?

2010/11/11 kyo

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