だからどうかぼくをあいして。

▼書込み 

12/22(Wed) 00:24
SSS

出逢いを。
撫子は張りつめた糸のように固い声で問いかけた。

「出逢いを、悔いていらっしゃいますか」

表情は声同様固く、その瞳の黒曜石は悲しいほど真っ直ぐに大和を見つめている。
その様は、雨に濡れた子犬が傘を差し出した人間を見上げるようにも、捨て猫を拾う者を偽善だと罵っているようにも見えた。

「愚問だな」

大和は微かに怒りすら含んだ眼差しを撫子へと送る。

「貴女との出逢いを悔やめと言われたら、俺は生涯を呪う。この世に生を受けたことを恨む」

撫子のすべらかな頬を包むように、大和の両のてのひらがそっと添えられた。
不安と期待に揺れ、滲みつつある黒曜石を、同じ温度で見返すと、いとしさをぶつけるように激しく、けれど霧雨のように静かに大和は言った。


「出逢えて、好かった」



<罪色逢瀬>
(終焉すら怖くない。あなたさえいれば)

―――――――――――――――――――――

和製ロミジュリを目指してみた。
大和と撫子ってよくないですか(だ ま れ

2010/12/21 kyo

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