愛をまもれ
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私は、勢い余ってついに片倉さんの胸の中にダイブしてしまった。
片倉「………」
それから、片倉さんは振りほどこうともせず…終始無言。
私はとんでもない事をしてしまったと、そこで固まったまま。
ばっと離れれば良い話だけど…タイミング、わかりません。
(というか、私は一体何をしでかしてんだ!!)
今更カアァと顔が熱くなってきた。
片倉「……お前、誰にでもこんな事するのか?」
『え…あ、すいません!』
片倉さんが口を開いたと同時に私はパッと身体を離した。
片倉さんは何ともない顔をしていた。
ドキドキしたのは私だけらしい。
(ちょっとくらい、戸惑って下さい)
片倉「もし、誰にでもするんなら…考えて行動しろ」
『あ、えっと…誰にもするって訳じゃなくて……』
片倉「どんな訳だ」
そう言って、片倉さんが追求の目を向けてくる。
(貴方だけです)
なんて言える訳ない。
『床でちょっと滑って…それで、片倉さんの胸に…』
こんな嘘、片倉さんなら疑うだろうと思っていたが…
片倉「お前なら、やりかねねぇな」
そう言って全く疑う様子を微塵め見せなかった。
(私、どんな風に見られてんだろ。泣ける)
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