にじいろ!

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襖を開いたのは、袴に身を包んだ中年くらいの女性。

彼女は、私の姿を見るなり
安堵の表情を浮かべた。

見た所…女将さんって感じだけど、もしかしてここは料亭か何かなのかな?


「もう、身体の方は大丈夫かい?」

『え?は、はぁ…大丈夫ですけど』

突然の問いかけに驚いた。
まさか、身体の事まで一々心配するなんて…よっぽどいい料亭なんだろう。

記憶が、ないのはおかしいけど
もしかしたら今私が忘れてるだけで、旅行に来てるのかもしれない。

で、ここに泊まって居ると…
きっとお母さんが、奮発したんだ。


(お母さん、やるじゃん!)

そう、にんまりした時だった

「うおぉぉぉーッ!!!まだまだぁあーッ!」


どこからか、そんな大音量の声が聞こえた。


そして、次にはドンガラガシャーンというとんでもない音が聞こえた。



(ちょっと、料亭でなに騒いで…)

迷惑というか、馬鹿だろうと思ったら、女将さんらしき人が苦笑いを浮かべた。


「まぁた、幸村様今日も精が出てるみたいだね…」





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