愛をまもれ


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途方もなく、草原を歩き続けている。

だが、歩いても歩いても…前にも横にも360度草原しか広がっていない。

流石に、もうこの景色にも飽きてしまった。


(ハァ…お腹減ったなぁ…どっかにコンビニとか無いかな……)


その時、向こうからピカッと雷が落ちた。


雨も降ってないこんな気持のいい青空から雷が落ちるとはどんな現象だろう。


私は興味本意でその雷の落ちた方に向かった。



すると、近付くにつれてその辺りだけ曇天が広がっている。

なんて奇妙な現象だ。

しかも、なんか激しい金属音が聞こえてくる。

私は若干嫌な汗をかきつつ…足を進めた。






政宗「Ha!まだまだこんなもんじゃねーよなァ!真田幸村!」


幸村「伊達政宗ぇぇえ―!余裕を見せられるのも此処まででござるッ!!」


すると、幸村は双槍に炎を纏わせ政宗に攻撃を仕掛けた。


政宗「やるじゃねーか…。だが、俺はアンタの上をいくぜ!!」


政宗は素早く双槍を弾き飛ばして、六爪になった。



『あれれ……これはどういう事かな?どうして、BASARAキャラが目の前で死闘を繰り広げている?』


冗談はよしてくれよ。
だって、だって
…彼等はゲームの世界のキャラなんだから。

(本当、リアル過ぎるよこの夢さぁ)


なんて、呑気に考えられたのはここまで。

後ろから誰かに刀を首元につけられているらしい。


「てめぇ…一体何処の者だ」

ドスの効いた声が耳を突き抜ける。

『さぁ、私にもよくわからないんですよ。玄関開けたらここに着いたんで』


すると、後ろから殺気が伝わってくる。

(やべ、今のまずかったか)


「…自分の立場わかってやがるのか」


『ああ私、殺されそうなんですよね』


「……てめぇの返答次第では斬るぜ」


(返答てなんだよそれ。クイズでもするつもりかしら)

『はいはい。どうぞ斬って下さいよ。こんな所、早くおさらばしたいんで』


「…変わった奴だ…てめぇは政宗様の命を狙っているのか」


私はたった今わかった。
彼は伊達政宗の右目である片倉小十郎だ。

なるほど、私が政宗を狙った刺客とでも思ったらしい。

『狙ってる訳ないでしょ。私にそんな事が出来るとでも?』


片倉「なら、どうして此処に居る」


『向こうから歩いてたら雷が落ちて、気になったから来ただけですけど。何か問題でも?つ―か、あんな激しい闘いに
どうやって入り込むんですかね―教えてくださいません?』


言ってやったわワハハ!

いや、ちょっと調子乗りすぎたかしら。

ちらっと片倉さんの顔を窺った。


(ぎゃ――!!めっさ怖いんですけど!!やばいわ!生極殺モード!!)


今になって自分の愚かさを憎んだ。



片倉「やはり、テメェは…仕止めるしかねぇようだ」

そう言って、片倉さんが刀を振り上げた。


その時、片倉さんの背後に得体の知れない物体が見えた。


『片倉さん!後ろ後ろ!!』

片倉「あぁ?」


片倉さんは迫り来るそれにまったく気付いてないらしい。


(まずいッ…!このままじゃ…)


その瞬間、何かが頭の中で囁いた。


《お前が、斬るんだ》


その瞬間、また私は誰かに動かされたように刀を振り切っていた。


片倉「ッ……!!」

驚いたのか片倉さんは反射的に刀を振り下ろしてきた。




(あれ…?痛くない?)


ちらっと確認してみたら、そこには………


政宗「小十郎、落ち着きな」

幸村「このような女子に……片倉殿らしくないでござる」


二人のヒーローが現れた。


(何このシチュエーション美味しすぎるウハウハ(´Д`))







....
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