愛をまもれ
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テレビもない、音楽も聞けない。
なんて、退屈なんだろうか。
最初は静かで落ち着くし気に入っていたが、何時間も鳥のさえずりだけのBGMは飽きてしまった。
(あ〜あ…なんか楽しい事でもないかな…)
部屋に大の字で寝転んでいると、バッグからピピピという音が聞こえてきた。
一体なんだろうと探ってみれば、音源は丸い機械からだった。
(そういえば、さっき政宗がいじくってたけど…壊れてないよね?)
少し不安げに機械のボタンを押した。
《ごんべ、大変だ!強力なウイルスがここに向かってきている!至急退治頼んだ!》
機械から聞こえてきた男の声には聞き覚えがあった。
『おいN!まさかバッグの中身変えたのお前か!?』
《そんな事はどうでもいいだろ!さっさと退治しね―と奥州は終りだ!》
『はぁ?意味わかりません!』
《すすめに書いてあっただろうが!お前まさか読んでないのか!?》
『あ、忘れてた』
《この馬鹿野郎!今回襲来してくるのは人に感染して感染した人を末梢するウイルスなんだよ!》
『え…ええ!?それ私も危ないよねぇ!大体退治なんてどうやって……』
《刀でどうにかしろ!お前なら出来る!多分!》
『多分じゃねーよ!!本当、お前一回殴らせろ!』
《とにかく!政宗達を守ってくれ!》
『ちょっ!!』
それを最後にNからの連絡は途絶えた。
本当は退治なんてしたくないけど…政宗達を消すわけにはいかない。
今、消えられたら…私の居場所が無くなってしまうじゃないか!!
だったら、私は行く!
野宿になるくらいなら…
ちょっと怪我するくらい…どうってことない!
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