愛をまもれ


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お世話になった甲斐を離れ、私は片倉さんの後ろを付いて馬を走らせている。


私の姿が遠くになっても大きく手を振っていた幸村を思い出して、つい笑みが溢れた。


(どこまでも可愛い子だったな)


でも、そんな事を考えていたら片倉さんとの距離が少し空いてしまった。


(あ…!置いていかれる!)


なんて思って馬を促して気がつく。


空いた距離より広がらない。


どうやら、片倉さんに気を使わせているらしい。


『もしかして、私に合わせてくれてるんですか?』


片倉さんに追い付いた所で尋ねれば、


片倉「ああ、お前には俺の速さに付いて来れねぇだろ」


そう、強い瞳で言われて
一瞬フリーズしかけた。


『そ、そうですか。どうも…』


片倉「ああ」




不覚にも…カッコいいと思ってしまった。

そりゃあ、元々イケメンだとは思ってたけど…

なんかこう…胸が熱く…たぎっているような…?








『ぬあぁぁあ!!もう訳がわからんッ――!!』


つい、幸村如く叫んでしまった。

片倉「ごんべ!耳元で騒ぐんじゃねぇ!そんなに力が有り余ってんなら、馬の速さ上げるぞ!」



そう、私の倍以上の音量で怒鳴られた。











(アンタのがうるせぇよ!!!)


そう言い返せたら良いのに……。






...
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