愛をまもれ
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二人の逃亡劇はあっという間に終わって、待っていたのは…
片倉「政宗様!聞いておられるのですか!?あれほど、政務を放棄し城を出ることはお止め下さいと申したはずです!」
政宗「Ah―…sorry、悪かった。もうしねぇ」
お分かりのように…
片倉さん恒例?説教部屋にて、只今政宗が説教をされています。
(とんでもない恐怖!)
今更、逃げて来た事を後悔した。
素直に食べてれば良かった。
はぁ、とため息をついた瞬間…片倉さんの怖いお顔がグルリと振り返った。
片倉「呆けた顔してんじゃねぇぞ。お前にもたっぷり説教してやるからな」
(ぎゃ――!瞳孔開いてる!殺られる!)
『りょ、了解です!はい!』
その時、後ろの政宗が少しニヤニヤしていた。
(覚えてろい!政宗ぇえい!!)
…………
それから政宗の説教が終わり、私は片倉さんとサシで向き合っていた。
一体、なんと説教されるのだろうか。
(俺の言うことには必ずはいと言え!)
とかだったらどうしよう。
いや、それもはや説教じゃなくて命令じゃね?
ともあれ…怒鳴られるのは覚悟しておこう。
片倉「あの時、どうして逃げ出した?」
『へ……?』
怒られると構えていたのに、片倉さんは普通なトーンでそう言った。
片倉「茶菓子が嫌いだったからか?」
『え?いや、どっちかと言えば…好きですけど…』
(あれ?何これただの尋問?)
片倉「なら、どうして逃げ出した」
そう少しトーンを低めに言った。
『だ…だって!!』
(片倉さんと…女の人が話す姿を見たく無かった)
なんて、口が裂けても言えない。
そんな事、言ったら…
片倉「っ…すまねぇ」
突然、片倉さんが顔に手を覆って、しまったという表情を浮かべた。
『片倉さん?』
片倉「この話は終わりだ。部屋に戻れ」
『え…あ、はい…』
私はよく分からないまま、説教部屋を後にした。
(もっと、一緒に居たかったな)
とか、思ってないからね!
...