愛をまもれ


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すすめによれば、この丸い機械は“ウイルス探査機Z”

Nとの交信は勿論、ウイルスが何処に出没しているのかもわかるらしい。


私は刀を担いで城を出る事にした。

ただ、ここからが問題だ。

ウイルスが出没した所までは距離があって私の体力と脚力では半日かかってしまうかもしれない。


馬を借りるにも、片倉さんに見つかればそれこそとんでもない事になりかねない。


だからといって、ぐずぐずしている暇はない。

こうしている間にも、ウイルスが私の居場所を奪おうとしている。


(あ―もうどうすればいいのよ!!こんな時に空が飛べたら………)


廊下を行ったり来たりしていると、片倉さんが此方に向かって来るのが見えた。

(うげ…今一番会いたくないのに)


そして、片倉さんは私の前に来るとピタリと止まった。

(え…ちょっと何…?)


片倉「何をしてる」


『何も…してないですけど?』


片倉「嘘つけ、目が泳いでんだよ」


(いや…泳ぐのは…貴方の怖いお顔があるからで)


片倉「怖い顔で悪かったな」


『え…いやいや!!そんな事は……』


(ありますけど。もしかして…意外と気にしてる?)

それだけ言って片倉さんは去ろうとした。


こうなれば…一か八か!
片倉さんに馬を使わせてもらうようお願いするしかない!!


ガシッと片倉さんの腕を捕まえた。


片倉「!」


『お願いします!私に馬を貸して頂けませんか!?』



……………


それから、片倉さんには反対されたが…政宗がOkを出してくれた。

ただし…片倉さんが付いて来るらしい。


(どんなけ疑り深いの貴方は!!)


私は慣れない馬を必死に操りながら、機械の示す方向に走っていた。


(後ろからの殺気がすごいんですけど)


ちらっと後ろを見れば片倉さんが険しい表情で付いて来ている。


仕方ないか。
片倉さんもそれくらいしなきゃ政宗達を守れないんだから。


この時代がどのくらい大変なのかは実感出来ないけど。いつ、命を狙われるかもしれない…そんな世界に生きていたら誰だって、ああなってしまうんだろう。


(片倉さんは特にだろうな…)





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