†Sky heart†
□〜序章〜
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近代都市、ミッドガルは夜明けを告げようとしていた。
薄暗い雲に覆われ、光さえも遮る。そんな中、太陽は夜明けを告げる。
それをも拒むように佇むモノ、“神羅カンパニー”堂々とした姿はまさに圧巻と言ったところだろう。
そのビルの一部屋に“彼女”はいた。
彼女がいる場所、それは研究室の中でも一番厳重な空間。そして、彼女はカプセルの中で静かに呼吸をしている。他にも同じようなカプセルが置かれているが、彼女以外誰も入っていない。
そして…そのカプセルを不気味な視線で見つめる一人の科学者。
「クックッ…美しい…」
そう言って舐めるようにカプセル越しから彼女を見つめている。
「クックッ…いよいよだ、私の実績を見せつける時が来たのだ……」
器械音のみの空間に不気味な笑い声が響く。
暫くして、科学者はカプセルのボタンを押した。
中の液体が徐々に減ってカプセルの扉が開かれる。
「!!!!」
彼女は目を開き前に倒れこむ。そして科学者の方に顔を上げた。
「クックッ…目覚めたようだな…No.0217。」
彼女は目をまた見開き科学者の顔を見詰めている。科学者は口元を歪ませ彼女を冷たく見下ろす。
「あぁ…分からんか、お前は空とか言う名前だったなァ…」
不気味に笑う科学者。
そしてまた口を開き
「お前には期待している…私のデータを素晴らしいモノにしてくれるとな…」
意味深な言葉を浴びせ、科学者は扉の前に立つ。
「私は…宝条だ、しっかり覚えておくんだな…」
そう言い残し、部屋を後にした。
「私は……空…」
これが始まりだった…