†Sky heart†

□〜第一章〜
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 ソルジャー…それは神羅の為に兵器として、敵に立ち向かう。憧れる者も多く、また毛嫌う者もいた。そして憧れる青年がここにいる。


「よっしゃ―!アンジールどうだった今の!?」

一人の青年が空色の瞳を輝かせている。
アンジールと呼ばれた男は少し笑いかけるように

「あぁ、成長したんじゃないか?」


「だろ?だろ?!俺すぐ1stになっちゃったりしてな!」


一層瞳を輝かせ、忙しく跳ねている。
アンジールは少し困った表情をした。


「ザックス、こんなトレーニングで満足してたら甘いぞ?」


そして軽く鼻で笑う。
ザックスは拗ねたような表情。


「いや、1stじゃない英雄になってやるんだよ!」


「あぁ、ザックスは英雄になりたいのか、なら次はこの俺が相手だ」


スッ…と剣を鞘から抜きだし、ザックスに向けた。

ザックスは武者震いを覚える。まさに今、鼓動は高鳴りアドレナリンが噴出してくる。

ニヤリと口元を上げてザックスは勢いよく剣を振り上げた。
空色の瞳はアンジールをしっかり捕らえる。


「うおォォォ―――!!!」


大きな雄叫びはトレーニングルームに響き渡る。
アンジールは静かに呼吸をし、ザックスの攻撃を意図も簡単に避けて見せる。


キィンと金属の接触音が響き渡る。


ザックスは口元を曲げる。
楽しくて仕方ない…
今、自分が剣を交えている相手はあの“英雄”と同等のクラス1st。
それだけで身体が熱を上げている。


「ザックス!集中しろ!」


そうアンジールが放ち、
その瞬間、ザックスの剣は勢いよく弾かれ床に落ちる。


「チェ―もう終わりかよ…」


そう言いながら剣を拾い上げた。
アンジールは剣を鞘に収め、愛用のバスターソードを持ち抱えるように顔を埋める。


「………?」


ザックスは首を傾げ、
アンジールに近づいていく。


「なぁ、そのバスターソード使ってるとこ見たことねぇけど…勿体無くない?」


するとスッと顔を上げてザックスに視線を移す。

「使うと汚れる、欠ける、磨り減る…そっちの方が勿体無い」


そう静かに、強く言ったアンジールにザックスはそれ以上何も言えなかった。その時のアンジールの表情はどこか誇らしくて、寂しさを帯びていたからだ。



するとトレーニングルームの扉が開かれる。


そして二人は扉の方に釘付けになっていた。


現れたのは空だった。
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