†Sky heart†

□〜第三章〜
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 ふと浮かんだのは、
 セフィロスだった。


理由なんてわからない。
でも、胸が苦しくて…
気付いたら涙が出てた。

するとジェネシスは少し微笑んだ。


「女神は…すでに、英雄に舞い降りたのか……」

そう言うと、ジェネシスはまた本を手に


「深淵のなぞ それは女神の贈り物われらは求め飛びたった
彷徨いつづける心の水面に
かすかなさざなみを立てて………」
 

そして少し笑いを溢し、

「………またな」


そう言うと部屋から出て行った。

空は滲む視界でその背中を見詰めた。


そして、ジェネシスの言っていた言葉を頭の中で並べていた。
もしかしたら、自分のことの何かを、思い出せるような気がしたためだ。
するとある一つの言葉がふと浮かぶ。


「…女神の…贈り物……」

気がつけば、口に出していた。


〈ズキンッ!!!〉

頭に激痛が走る。


「ッ!!!」

頭を割られるような痛み。

「空!!!」


更に痛みは増していく、

「アアアァァ!!!!」

意識が薄れていく…


「しっかりするんだ空!!」


アンジールの声がどんどん遠くなっていく。
視界がボヤけてきた。


「アンジール………」


それを最後に、空は意識を無くしてしまった。


「………すまない、俺にはお前を救ってやれないようだ……」







ねぇ、どうして泣いてしまったのかな?

あの胸の痛みは、
貴方といた時に感じたのとは違っていた。
ただ…苦しいだけで…

あたしは、病気なのかな?

『いずれわかるさ…』


………本当に?


『あぁ…』


じゃあ、その時が来たら  一番に教えるよ。
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