†Sky heart†

□〜第五章〜
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教会が見え、あたしの胸が少し高鳴り始める。


白い外観、大きいとは言えない教会だ。


あたしは教会の前に立つ。


ギイィ…


少し開けずらい扉を開くと…



「………花?」



あたしの目の前に現れたのは花。


言葉が出なかった。
美しい…のに強く咲き誇るその小さなイノチに、


すると奥から立ち上がった人影。



クルリとこちらに向く。


「…………」



そこにはブラウンの髪を後ろにまとめて、グリーンの瞳でこちらを見詰めてくる少女がいた。



「………??」



少女は少し驚いたような表情を見せる。
が…すぐにふと笑みを溢した。



「あ、お客さんだ」



少女はこちらに駆けよってきた。



「君、花好きかな?」


ニコリと花のような笑みを浮かべ、摘んでいた花を差し出した。



「え…………」



「あ、ごめんね?
自己紹介しよっか?」



少女は空の反応に少し微笑んだ。



「わたしは、エアリス…君の名前は…?」



「あたしは…空」


エアリスという少女は
あたしと同じくらいの歳で、この教会にいるらしい。



あたしはエアリスと話をしているうちに、
ごちゃごちゃとした心が消えていた。


彼女の笑顔を見ているだけで癒されていく。


すると少し目頭が熱くなってきた。



「あ、空…泣いてる?」


エアリスはあたしの顔を覗き込む。
あたしは恥ずかしくて
そっぽを向いた。


するとクスクスと笑うエアリス。



「安心した?」



あたしは頷き、涙を拭いた。




 ドン!!!



するといきなり扉が勢いよく開かれ、あたしは扉の方に目を向けた。



「テメ!!そこ動くんじゃねえぞ、と!!」


聞き覚えのある口調。


ユラリと特徴的な赤い髪を揺らし、睨みをきかせていた。



「レ…レノさん??」
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