†Sky heart†

□〜第五章〜
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「なんで俺の名前知ってんだよ?!」


レノは空の髪型や髪の色が変わっているため、誰か分からない様子だった。



後ろにいるエアリスが少しだが…震えている。
あたしは一か八か…



「レノさん!!あたしです…空です!」



するとレノは目を大きく開き、驚いている。



「な…なんで空が…!?」



するとレノの後ろにいたのは勿論ルード。



「あの…どうしてここにタークスが?」



どうもエアリスの様子に異変を感じた。
さっきの笑顔は消えて、怪訝の表情を浮かべている。




「お前には関係の無いことだ」



ルードの後ろからゆっくりと歩み寄る、一人の男。


黒髪を一つにまとめ、
黒い瞳を鋭く光らせる。

明らかにレノ達とは違う雰囲気だ。



「ツォンさんッ!!
アイツは関係ないぞ、と」


するとレノが焦り始める。


ツォンはそれを無視して さらにこちらに向かって来る。




「エアリスに近づくことは許されない」



エアリス!?


あたしはクルリと彼女に顔を向けた。



「………大丈夫…?」



エアリスは少し笑みを溢す。



とりあえず…エアリスが危険には違いない!
あたしが助けなきゃ…



するといきなりエアリスがあたしの手を取る。



そしてゆっくりと口を開いた。




「また…会えるよね?」


「うん!」


あたしは迷わずそう口にしていた。
そして、エアリスはあたしからの返事を聞くと
ツォンの元へ行った。



あたしは彼女の背中に
胸が詰まりそうになっていた。


なんて強いんだろう、


ここに咲く花のように


強くて儚くて…

けど逃げようとしない。



そうだ、逃げちゃ駄目だった。



あたしは逃げない。
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