†Sky heart†

□〜第十章〜
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ザックスと空は
雪を踏みしめるように
走り出していた――。


耳に響く呻き声‥

空の心臓は静かに脈を乱していった。

そして‥脳裏にはあの戦いが映る―――。


きっと‥また血を浴びるだろう。


空は意を決心
建物へと足を踏み入れる。


そこは薄暗く、埃臭い
まさに廃虚と化していた。

足を進めるとギシリと
床が軋む。


「クラウドッ―――!!!」

ザックスが大きく声を響かせるが、返事はない。
それが更に二人の気持ちを焦らせる。


「クソ‥絶対死なせねぇ!!!」


ザックスが通路を走り抜けようとした瞬間、
上からドサドサとモンスターが落ちてきた。



「ザックスッッ!!!」


空もそれに気づいてモンスターに斬りかかる。


「邪魔‥‥すんじゃねぇ――――!!!!」


ザックスは一気に剣を振り回し、モンスターは呆気なく倒された。


二人はその残骸の横を通り抜けて浴槽のような部屋に辿り着いた。


僅かに水の流れていく音が聞こえる。


その部屋を見渡していた時、クラウドの姿が目に入ってきた。



「クラウドッッ!!!」


空が急いで駆け寄ると、ザックスもそれに気づいて駆け寄る。


クラウドを抱えながら
表情を伺った。


顔色が良くない‥‥。



「クラウド!!俺だ!!」


「‥‥‥ザ‥ックス‥」

クラウドはザックスの声に反応し、虚ろな目を開いた。


「いったい何があった!?」


「‥‥‥いきなり‥襲われ‥たんだ‥‥」


瞬間、クラウドの瞳が大きく開いた。


空はクラウドの瞳の中に映るモンスターに気づいた。


「危ないッッ!!!」



.....
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