†Sky heart†
□〜第二十三章〜
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まだ夜も明けきらない時間。
ザックスは静かに身体を起こした。
部屋は暗闇に包まれ、まだ寝起きの瞳ではボヤけた視界が広がる。
ふと、横のベッドを見ると
クラウドの姿が見当たらなかった。
クラウドも起きているとかと思って廊下を出ようとしたら…
「クラウドッッ!?」
廊下に倒れ込んでいるクラウドを発見した。
よく見れば腹部から血が流れている。
ザックスは咄嗟に側にあったタオルでクラウドの腹部を縛った。
すると、クラウドがピクリと身体を動かした。
「クラウドッ!大丈夫か!?」
「ザックス…か…?くッ…!」
起き上がろうとしたら腹部から痛みが走った。
「何があった!?」
「……カダージュに…」
「カダージュにやられたんだな!?」
クラウドは悔しげに頷いた。
やはり…カダージュは危険な人物だった。
ザックスはクラウドをベッドに運ぶと、バスターソードを掴んだ。
「アイツは…俺が止めてやる。だから、お前は休んでてくれ」
そう言って、ザックスはクラウドに顔を向ける事もなく部屋を後にして行った。
その背中からは…見た事もないような怒りが込められていたようだった。
ふとクラウドはカダージュに斬られた腹部を見て驚いた。
「急所をギリギリで外してたのか…」
アイツは気絶する位の位置を正確に狙っていた。
確かに…アイツは危険だ。
じゃあ…どうして俺を仕止めなかったんだ…?
...