空と雲と、君がいる場所。

□音。
1ページ/1ページ


*2010.04.24 up*



今日も眠りに落ちる。

それは、とても静かな場所。

いつもここに居た気がする。

呼ばれても気付かない。

きっと居心地がよかった。



いろんなモノを見た。

いろんなモノを感じた。

いろんなモノが見えた。

いろんなモノに気付かされた。

『自分』という自覚もないままに。

ただ、いろんな感情に出会い。

何にも変えられない愛情を見つけた。

そこには何があっただろう。

何が見えただろうか。

何を感じただろう。

愛を見つけた君は、そこで愛情を知ったね。

でも、本当に愛を知ったのだろうか。

薄れることはない。

薄れることはなかった。

ただ、君自身が薄れることに、とても哀しみを抱いた。

記憶の断片を辿ると。

やがて、いろんな場所にたどり着く。

それはきっと、あなたの記憶へとつながるだろう。

今日もあなたのどこかへとつながって。

深い眠りから覚めていく。

初めて聴く音は、静かな自分の鼓動。

そして、微笑む。

あなたが言った言葉。

『おはよう』

君は気付く。

今日も、あなたは居た。

そして、ここに君が居る。

君は、安心したように微笑む。

『おはよう』

そして、君のように、いつかあなたのそんな声が聞けるのかな。

最初に気付いたのが。

あなたという、遠く懐かしい響きだったように。

いつまでも、その響きを奏でていてほしい。

今日も、あなたと居る。

それはごく自然に、当たり前のように。

『どこまでも、つながるね。君は今、何してる?』


私は知ってるよ。

あなたは、そこに居るね。

だから、君も居たんだ。

もう迷うことはないよ。

すべてはあなたの記憶へ。

君の記憶へ。

だから、私は先を見つめる。

あなたにつなげる君を、私は導いていくんだ。

そして、気付く。

あなたにつなげる君の背中を押しているのは、だれ?

きっと答えられないだろう。

でも、私は知っているから。

安心して、今日も眠っていてね。

いつか、あなたは目覚めるだろうから。

その時は、あなたの声を聞かせて。

それまで、私はずっと言い続けるよ。

『あなたはちゃんと居るよ。だから、安心して今日も眠ってね。』

君は微笑む。

あなたも微笑む。

君は眠る。

君の中のあなたは眠る。

やがて、深い眠りにつく頃、あなたの声が聞こえたような気がした。

『おやすみなさい』



そして、またいつものように朝はやってくるんだろうね。

あなたは、また目を覚ます。

私はいつものように声をかけるよ。

『おはよう。あなたはそこに居る?』

笑顔のあなたは答えた。

『おはよう。私はいつも通りここに居るよ。』――――





*2010.04.24 up*

 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ