空と雲と、君がいる場所。

□空。
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無限とか。

夢幻とか。

本当は、その空間は限られていて。

たとえば、この空の下で何ができるか。

何を思えばいいか。

でも、何も思うこともなくて。

空を見上げればいつも快晴だとか。

そんなの本当は嘘なのかもしれない。

時々、止まない雨が降り続いていたり。

時には、ずっと曇り空を見ているような。

澄み切った青空とか、憂鬱さでいっぱいになる曇天だとか。

その時々で、感じ方は様々で。

傷付いて何も見えない時に見る青空は、なんだかあの頃の色に似ていて。

雨雲で覆い尽くされたグレー色は、少しホッとするような感じで。





眺め続ける窓の中から。

仰ぎ眺める空の下を見る。

そこから、上を見上げると。

ずっと広がる世界。

その水色に近い青の向こうには、また無限に広がる世界が広がっているのかな。

それとも、それは夢幻であるのかな。

自分の居る場所から見る景色は、常にいつも同じで。

何が変わったとかあるはずもなく。

だけど、それがたとえば夢幻と隣り合わせだったとしたら。

現実は、本当に『現実』といえるだろうか。

幻だったら、そこでの自分はすべて幻だったんだろうか。

それなら、そこで過ごす日々は、実はすべて幻なのかな。

確かに居るはずのあの人やこの人、その人、声、景色、色、匂い、感触、関係。

この目に見える平行線上の景色は、常に青い空で。

それは現実なんだと思い知る。

じゃあ、現実と幻って、本当は並行しているのか。

本当は幻ではなくて、確かに現実で生きているのかもしれない。

融合した2つの世界は、時に現実しか見えなくて、幻しか見えなくて、合わさった時に見る世界は、じゃあそれは現実?幻?

空を見上げると、いつも現実を見る。

あの空の向こうを知りたい。

どこまで行ったら辿り着けるだろうか。

自分はどこへ行くんだろう。

どこへ行きたい?

何を見たい?

帰りたいのかな。

本当はもう現実を夢見ているのかもしれない。

自分の在った場所は確かに現実で。

その空の色は、哀しくて何も見えていなかったあの頃の色に似ている。

変わりなんて、何一つなかった。

変わらない空なんて、ひとつもなかった。

だけど、変わったモノはいくつもあって。

変われないいくつかの想いも、確かにあった。

だけど、その想いは変わっていく空色の中では、確かに変わってはいなくて。

時々、その日の空色が見えた時、心の中でいつも思い出す。

もう、あの日は終わっているのですか。

今の空は、あの日につながっているのですか。

あなたは元気ですか。

ちゃんと笑えていますか。

喜びを感じられていますか。

今を生きれていますか。

私はちゃんと生きれていません。

でも、時間はちゃんと自分を進めてくれています。

いろんな感情が芽生えても、ここから見る空の景色はいつもと変わらずに今もここに在ります。

だから、きっとこの空が在る限り、いつかは似ている空が見つかるでしょうね。

空の向こう側を見れるのはいつになるだろう。

そこには何が待っているのかな。

そこで何を憂うのだろう。

誰を想うのだろう。

誰と分かち合うのだろう。

そして、何を思い考えるだろう。

そこに真実が在るのなら、きっとそこを見定めるかもしれない。

無限であるように。

夢幻であるように。

だけど、現実であるように。

いつか辿り着けるかもしれない、その場所を探し求めて。

いつか心から笑える日を夢見て。




私は今日もちゃんと生きれています。

これがもうあなたではないのかもしれないけど、あなたの中では私がちゃんと生きています―――。

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