小説

□命令だ!今すぐセバスチャンを泣かせてこい!
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 シエルはある疑問を抱いていた。

「そういえば……」

「如何なされましたか?坊っちゃん」

「……いや、何でもない」

 首を傾げながらセバスチャンは問い掛けるが、シエルの返事にそれ以上は何も深く考えず、追求することはなかった。
 シエルは再び業務に戻るよう命令してセバスチャンを自室から遠ざける。
 悪魔も悲しい時は涙を流すのか?
 シエルは心の中で疑問を呟くと、何か思いついたのか悪戯っぽくニヤリと笑う。
 暇潰しにはちょうどいい。何より、アイツの邪魔が出来るんだからな。
 シエルはすぐさま机の隅に置かれた受話器を取り、電話をかけた。


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