小説/2

□紅い桜の花びら、桜の木の下を掘り起こしてみた
1ページ/11ページ

 いつもと変わらない魂の回収を終え、グレルが死神界へ戻ろうとしていた時だ。
 紅い花びらが風に飛ばされ、それが赤いコートに付着する。その花びらを摘み、物珍しそうに眺めた。

「桜の花びら……?ンフッ。紅色なんて珍しいじゃない。……あぁ、そういえば来週だったわネ。管理課主催のお花見って」

 来週は管理課主催の花見が開催される。会場場所である満開の桜を探すのは管理課の担当だ。ウィリアムもその中に含まれている。
 せっかくだからと、死神界へ帰る前にグレルは紅い桜の木を探すことにした。

「ンフッ。満開に咲いていたら、ウィルに頼んで会場場所にしてもらいまショ」

 風の流れを頼りに、紅い桜の木を探す為にグレルは赤いコートを翻すと向かい風に向かって駆け出す。


.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ