小説/2
□紅い桜の花びら、桜の木の下を掘り起こしてみた
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いつもと変わらない魂の回収を終え、グレルが死神界へ戻ろうとしていた時だ。
紅い花びらが風に飛ばされ、それが赤いコートに付着する。その花びらを摘み、物珍しそうに眺めた。
「桜の花びら……?ンフッ。紅色なんて珍しいじゃない。……あぁ、そういえば来週だったわネ。管理課主催のお花見って」
来週は管理課主催の花見が開催される。会場場所である満開の桜を探すのは管理課の担当だ。ウィリアムもその中に含まれている。
せっかくだからと、死神界へ帰る前にグレルは紅い桜の木を探すことにした。
「ンフッ。満開に咲いていたら、ウィルに頼んで会場場所にしてもらいまショ」
風の流れを頼りに、紅い桜の木を探す為にグレルは赤いコートを翻すと向かい風に向かって駆け出す。
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