小説/2

□キャンディーに嫉妬
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 ある女性雑誌にこんな記事が書かれていた。

 一一一“キャンディーをよく舐める彼氏は彼女のディープキスに不満を抱いている”一一一

 こんなモノはデマよ、デマ!!
 アタシは「ふーん、そうなの」的な軽い態度で女性雑誌に目を通す。
 例えこの人間が書いた記事の通りだったとしてもヨ?アタシの彼はそうなるとは限らないもの。
 ンフッ。だってアタシとウィリアムは、これでも死神で熱々なカップルなんDEATH★から!

「ヤダッ!この新作のマグカップ超可愛いじゃない!注文しておきまショ★それから一一一ッ!?」

 雑貨用品に赤ペンでチェックをしようとした時。突然アタシの手元から女性雑誌が姿を消した。いや、正確には取り上げられたって言った方がいいかもしれないわネ。

「……何をしているのですか?グレル・サトクリフ」

 その声は少しの間があってからアタシの耳元に届いた。怒ったような、それでも半分は呆れたような声。
 聞き慣れた声に、ソファーの上で俯せになって寝っ転がっていたアタシは首だけを動かした。想像した通り、そこにはウィリアムが立っている。アタシはなるべく可愛らしく見せようと、嬉しそうに尻尾を振る子犬のように両足を上下バラバラに動かす。頬に手を添え、可愛らしく小首も傾げてネ。

「お帰りなさい。今日もお仕事お疲れ様DEATH★」

 ウィルは無言のまま、何も答えずにクローゼットがある寝室へ姿を消してた。
 んもうっ!照れ隠しするなんて、相変わらずウィルは可愛いんだから!


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