過去拍手小説
□好きで好きでたまらない
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ウィリアムは意識を取り戻すと同時に、全身に広がる痛みに眉を潜める。
「っ……」
いつの間に移動させられたのか、目覚めた場所はベッドの中だ。
「気が付いたのね?ウィリアム!あ、動いちゃダメよ?まだ包帯を巻き終えてないんだから」
ウィリアムの視界には丁寧に自分の腕に包帯を巻くグレルがいる。
何故そうなってしまったのか、頭の回転が速いウィリアムは数分も経たないうちに状況を理解する。
「それにしても珍しいわねぇー。ウィルが仕事中にミスるなんて」
「貴方のせいです」
「アタシの?」
グレルは不思議そうに首を傾げて問い掛けるがるが、一切話すつもりはないのかウィリアムは口を閉ざす。
つい先程の出来事だ。
グレルは仕事中にも関わらず、楽しそうにセバスチャンと会話をしていた。
勢いをつけてグレルの頭上へ着地しようとしたのだが、今回に限ってウィリアムはバランスを崩しまう。
セバスチャンと会話をするグレルの表情が、今まで自分に見せていた表情とは違うことに動揺してしまい、着地地点を誤ってしまったのだ。
そんな理由だからこそグレルに話せるわけがない。
「ウィリアム」
沈黙した空気を破ったのはグレルの方からだ。
いつの間にか包帯を巻き終え、身を乗り出すとウィリアムの唇に自分の唇を重ねる。
「んっ……」
ひんやりとした感触にウィリアムは思わず声を漏らしてしまう。
「ごめんなさい」
短い謝罪が終わればグレルはまたキスを続ける。
「……っ、んっ。グレ、ル……」
気づいていたのだろうか。その問い掛けはグレルの深い口づけのせいで話すことすらできない。
キスの余韻に瞳を滲ませるウィリアムの上に跨がり、着衣を着崩すグレルはふわりと微笑む。
「今日は動けないウィルの代わりにアタシがいっぱい愛してあげるわネ?」
悪戯っぽくそう言うと布団をめくりあげ、まだ反応を示していないウィリアムのモノをズボンの上から指で撫でる。
「嫉妬してたんでショ?アタシが慰めてアゲル」
「何を……言って……んっ、はぁ……っ」
布越しから乳首を摘み、器用に片手でズボンのベルトを外すグレルは下着から現れたソレを口にパクッとくわえ込む。
「は、あっ……」
滅多に見られないウィリアムの反応に、気を良くしたグレルは先端を舌先でいじりながら甘噛をする行為を何度も繰り返す。
「一一一っ!ん、グレル……やめな、さ……」
「大丈夫、明日の仕事に差し支えない程度にするから。……でも、腰が痛くなるのは仕方がないことだから諦めてちょうだいネ?」
「何を言って……んっ!」
そっとウィリアムの眼鏡を外し、下からめくり上げた服から見える薄桃色の乳首にキスを落とす。
「ウィリアム、愛してる」
充分に後孔を慣らした後で、グレルは自らのモノでウィリアムを逝かせた。
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