染まらない華
□Pretty Boy
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Pretty Boy
木々を揺らす、心地良い風をその身に受けながら…。
木を背に凭れかかり、静かな寝息を立てて眠る少年の顔を、じっと見つめた。
幼さの残るあどけない表情が、可愛らしい。
フワリと風に揺れる髪から、甘い香りが広がり鼻孔を擽る。
「誰かな?カワE〜♪」
すやすやと眠る顔を覗き込みながら、ジローは小さく呟いた。
珍しいモノを見て、ワクワクと胸を踊らせる子供のように…ジローは気持ちを馳せる。
目覚めたら、どんな表情をするんだろうと…。
ジローは起こさないように気を付けながら、少年の隣にそっと腰を下ろした。