Long Story

□おいでませ黒曜中!
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Stage.2 骸とクローム



「骸様、おはよう。それにボスも、おはよう」

「…あ、クローム!?お、おはよう…」

「おはようございます。待たせましたね」


綱吉が黒曜中に転校した初日、校門で待っていた骸に案内された職員室の前では、もう一人の霧の守護者であるクロームが二人を待っていた。
二人の姿を見つけて淡い笑みを浮かべるクロームに、綱吉は驚いたように瞳を見開き、骸は平然と微笑みながら応える。


「そっか…。クロームもここ通ってるんだっけ」

「うん…骸様達と一緒よ。でも、ボスも一緒ならもっと楽しくなるわ」


リング争奪戦が終わって骸が水牢から解放された後も、クロームは千種や犬と一緒に今も変わらず骸に仕えていた。
綱吉がそれを改めて認識したかのようにぽつりと呟き、クロームはどこか嬉しそうに微笑みながら頷いてそう告げる。


「ははは…そう?…俺も、クロームがいてくれて助かったかも…」

「ボス…」

「先に話、いいですか」

「「……!」」


綱吉に対して、多少なりとも好意を示してくれるクロームは、この黒曜中のメンバーで話しやすいと思える相手だ。
綱吉もまた照れたような笑みを浮かべながらそう答えれば、傍らで二人を見ていた骸が一つ咳払いをしながら口を開く。


「とりあえず、君は二年でクロームや千種、犬と同じクラスになってます。…まぁ、何もないとは思いますが、彼らと一緒なら安全でしょう。もし何かあれば、まず彼らに言うことですね」

「…え、骸…お前は?」


そして、他人事のような口調で淡々と説明をする骸に、綱吉が不思議そうに瞳を瞬かせながら遠慮がちに問いかける。
そうすれば、したり顔でニヤリと口角をあげた骸が、いっそ清々しいほどの笑みを浮かべてそんな綱吉を見下ろして。


「僕は先輩ですから」

「せ、センパイ…?」

「そう、三年の六道骸。黒曜中の生徒会長にして支配者です。この学校内では僕の方が立場が上だ。覚えておきなさい」

「……そうします」


その不穏な空気に思わず身構えながら聞いてくる綱吉に、いつものような不遜とも思える物言いでそう言い放った。
げっ、と綱吉は嫌そうな顔をしながらも後が怖いので素直に頷けば、骸は満足げに瞳を細めながらクロームを見やる。



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