その他短編

□二人きりの約束
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轟音と共に生温い風が吹き抜け、静寂が訪れる。



負けたものは此処で、帰りのトレインが来るのを待つ。

それがバトルサブウェイの掟。



そこの一番端にあるベンチに彼女は座っていた。
先程から俯いて、溜息ばかりついている。

彼女の手持ちらしきジャローダが彼女を心配する様に傍にいる。


傍から見れば異様だった。トレインが来ても見向きもせずずっと下を向いている。

傍にジャローダを連れて。


帰らないんですかと親切心から言ったものがいたが一睨みで返された。


当の本人はどうして負けたのかと後悔ばかりしている。
あぁあの時波乗りを使えば、持ち物はラムの実を持たせておけば、と思い返せば改良点ばかり見つかる。


マルチのときは辿り着けたのに。シングルになると途中で負ける。
どうしても最後まで辿り着けない。

トウヤ君のお陰だったのか?
一人じゃ辿り着けないのだろうか。


そんなの他でやればいいじゃないか、と言われたらそうなのだが、はっきり言って動く気すらしない。

今度こそは!と意気込んでいたから余計に負けたときのショックが大きかったのだ。







数時間がたっても彼女はそこにいた。



もう一回話しかけてきた者がいたから睨んでやろうと顔を上げた。

睨むどころか目を丸くすることになった。





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