A.P.H短編

□貴方は人で、私は国で。
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私は国。
国だからずっとこの姿で生きてきた。
あまり人と関わらず、人と友人関係を築く事も、恋をする事も無かった。

そんな私が恋をした。

相手はたまたま気まぐれで出かけた、プロセイン?とかいう国にいた。
そこで一際目立つ銀髪に赤目の男に恥ずかしながら一目惚れした。

言葉は国だから他の国の言葉も全部覚えていた。
だから会話に困る事はなかった。

それから私達はすごく仲良くなった。時折遊びに来てもらったり遊びに行ったり。

数百年間の中で一番楽しかった気がする。

この想いは伝えていいものではない事は自分が一番よく分かっている。
それでも伝えたくなるのが人ってもので。


ある日、ギルを呼び出してこの想いの丈を伝えた。

結果は、好きな人がいるから、と断られた。

まあ、しょうがないよね。所詮国と人じゃ寿命が違う。
もし叶ったとしても、彼が先に死ぬのは分かっている。


最後に聞いたギルの声が涙声に聞こえたのは、私の聞き間違いだろう。

貴方は人で、私は国で。

(それは永遠に届かない想い)
 

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