小説
□ただ1人の
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「風丸くん」
研崎が風丸に歩み寄っていく。
「ダークエンペラーズのキャプテンは風丸くんに任せたいと思うのですが…みなさん、よろしいですか?」
「「はい」」
「では風丸くん、キャプテンマークを。」
研崎が差し出したのは、円堂と同じ色のキャプテンマーク。
『円堂。』
風丸は、それをみて一瞬、ほんの一瞬だが哀しげな顔をした。
それに気付いたのは染岡だけだった。
「要りません」
風丸ははっきりと迷いもなく答えた。
「そうですか。まあ、好きにしなさい。ではお前たち、そろそろ雷門の皆さんが到着します。迎える準備をしましょう」
「さあ、みんな。行こう」
「おう。」
円堂…。
俺の中でキャプテンは円堂だけだ。
『サッカー、やろうぜ!』
どこかで声が、聴こえたような気がした。