短編

□尚とクリスマス
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『どうしてここにいるんだよ』



今、私がいるのは自宅。
セキュリティも万全なマンションで二重ロックまで掛けてあるのに何処から入ったコイツ。




「言っとくけど、今日のオレはサンタだから」

ニッコリ笑うコイツの手には札。
すり抜けて来たのかよ、とげんなりしつつも納得。不法侵入しほうだいじゃないか、なんてこった。



『で、何故に私は抱き締められてるんだ?
離せよ冷たい寒い』


「オレからの溢れんばかりの愛が拒絶されてしまった・・・!!

・・・ぶっちゃけると、外寒かったし君で暖をとろうかと」



私はベシッとコイツの手を叩きおとす。なに人の服に手かけようとしてんだよ。油断も隙もない。


『確かに人肌の方が温かいけどさ
それはまあ、
後のお楽しみというかプレゼント的な?

ああ、でも今日のアンタはサンタだもんね
尚じゃないしね』




そそくさと腕の中から抜け出してシチューを暖めなおす。夕飯が冷めたよ。


そして尚が固まったまま動かないのだが。どうかしたのか、と思って振り向いたら嬉々として肩を掴まれた。え、反応早い。どうしたマジで。





「そんなサプライズがあるなら、そうならそうと言ってくれよー
オレは何時でも何処でも君だけのものなんだから

ささ、オレ達の愛の巣へゴー!!」




『何がゴーだ!!』



今度はそのめでたい頭に一発決めてやった。自業自得だろ。











((君だけの〜にときめいたのは内緒だ
なんか悔しい)
言い忘れてたけど、メリークリスマス)
(メリークリスマス、
ってことで、オレからのプレゼントはこれだよ)

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