短編

□ある日の主様
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【ある日の主様】



ただ今私は非常にピンチな状態です。何故かって?続と二人っきりだからに決まってるじゃないか!普段の続なら別に恐いとか、そういうことは無いんだ。でも今は明らかに、見るからにピリピリしてる。絶対怒ってる!


『・・・続さーん、何で怒ってんの?』
「怒ってない」
『なら何で機嫌が悪いんですかー?頭の弱い私にはさっぱり分かりませんー』


人がせっかく話を聞いて上げようとしているのに、何なんだこの暴君は。私は半ば機嫌をどうにかしようとするのを諦め、ソファにうつ伏せに倒れた。相変わらずフワフワで気持ち良いなこのソファ。私のベッド以上じゃないかチクショー。


「お前昨日誰と何してた?」


すると突然話しかけてきた不機嫌暴君。何故に昨日の予定を聞いてくるのか分からない。私は頭にハテナを浮かべながら昨日の事を思い出す。


『花村さんと買い物に行ってたけど・・・』
「一昨日は?」
『月宮とケーキバイキングに行ったかなー?』


私なんかの昨日と一昨日の行動を聞いて何の特になるのやら。不思議に思いつつ仰向けになり、クッションを抱き締める。


『???続が不機嫌なのと何か関係あるの?』
「・・・お前
マジで言ってんのか?」


キツい口調に体が強ばる。起き上がって距離を取ろうとするもソファの端に背中が当たり、断念。クッションを投げつけてやろうかと手で掴んだけど、動けなかった。


『つ、続さーん?何なんですかー?』
「・・・」


現在進行形で抱き締められていまして、動けません。しかも続は無言だし、心なしか頭のアンテナみたいなのが萎れているように見える。


「・・・、お前はオレの従者だろ」
『う、うん』
「勝手にどっか行くな」


私を抱き締めている腕の力が強められた。私も続に背に腕を回して抱き締めかえす。そこでふと気がつく。


『・・・やきもち、ですか?』
「・・・わ、悪いかよ
混血や犬とばっか出掛けやがって、お前に用がある時いつもいねーし」


ブツブツと文句を言い出した続。時々腕の力が強くなって痛いけど、それは言わない。だけど私は次の言葉を聞いて何がなんでも逃げなければと危機感を覚えた。


「オレ様よりも他のヤツ等を優先したお仕置きをしてやんねーとな」
『ひゃっ?!なななな何すんの?!』




(どうしたんですか?その頬)
(殴られた)
(パシャ)

(??!)
(貴重な一枚頂きましたー)
(日向ナイス!私に送って)
(じゃあ私もお願いします)
(テメエ等・・・)


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