短編
□常盤とホワイトデー
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【常盤とホワイトデー】
今日は3月14日。そう、皆さんもご存じのホワイトデーです。と言うわけで、愛しのあの方にプレゼントをせがみに行ってきます!
『ちはーっす!諜報部隊、報告に参りました!』
報告という名目で部屋に突入。いや報告もするけどね、私の目的は今日この日にあの方から何かをいただく事なのだよ!
でも報告はちゃんとします。怒られるから。まあ怒った顔も素敵だけどさ、お説教で何時間も声を聞いていたいけどさ、でもそれは私がもたないから。いろんな意味で←
『そう言えば此処のビルの2Fに新しくケーキ屋さんがオープンしたんですけど今度行きませんか?』
「行かねえ」
『ですよね…。今日もダメか…、うーん…』
「いい加減に諦めろ。そして早く報告書を出せ」
『私の辞書に“諦める”と言う文字はありません!』
何はともあれ、報告書を提出。ううう、今日もお誘いを断られたぜ。でも私はめげない!嗚呼、真剣に読んでいるお姿も素敵です!
『常盤さん常盤さん!!今日が何の日か知ってます?』
「…………」
カレンダーを見て心底面倒そうな顔をなさった。そしてデスク
から何かを取り出して私に放った。その行動に私は動揺しまくりです。
『マ、マジですか常盤さん!?私貰えないかと思ってましたよ!?せがむ気満々でしたよ!?』
「貰ったから返しただけだ。それと、それは只の土産だからな」
『ホ、ホワイトデーに常盤さんからお返し貰えた…!!』
「人の話を聞け!そしてさっさと下がれ!次が居るから」
『嬉しいです常盤さん!!抱きついて良いですか?』
「駄目だ―――って離れろ!」
あしらわれたけど、無視して抱きつく。嬉しくて今日一日にやけっぱなしになる自信がある。
そしてその後、引き剥がすのを諦めた常盤さんに頭を撫でられて泣きそうになったのは内緒だ。
(早く仕事に戻ってください)
(ぎゃー!?雪くんストップ!!常盤さん、常盤さん助けてー!!)
(……はあ)