長編
□盤上への一歩
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私は今、ある教会に来ている。どうやら此処に神の遺産があるらしいから。
そもそもどうして私がこんな事してるのかと言うと、聖戦のことを知ってしまった以上、参加しなければいけない気がするからだ。
それに、傍観なんてふざけた立場、神様は許さないだろう。プラス、知り合いも参加するみたいだからと言うのも多少はある。
そんなこんなで建物の中を歩き回っていると、開けた場所に出た。部屋の中央で輝いているのが神の遺産だろう。
私は近くまで行き、まじまじと観察した。
『これが…』
本型だね。中身が気になる。
…………ん?誰か近づいて来てる…?………1人じゃないな。何処かに隠れよう。
「サッさと回収しろよ
他のヤツが来る前に逃げるぞ」
「分かってますよ!急かさないでください!」
『(数は3人ってとこかな……)』
私には気づいてないみたいだ。よかった。他のヤツってことは、また別の人がコレを探してるんだね。隠れてないでサッさと帰ればよかったよ。
「ダメダメー!それは桃瀬がもらうんだから」
ビシャーッと、突然黒い“何か”が3人を襲った。
………あの子、強いな。さっきの人たち死んだんじゃない?ほら、千切りだよ。
「む…、そこの人は何してるの?」
『………バレてた?』
私は観念して物陰から出た。
「この預言書は桃瀬がもらうんだからね!」
『うん、どーぞ?』
「……取りに来たんじゃないの?」
『いや、見に来ただけだから。』
長居はしたくない。余計なのが出てきて戦闘になるなんて、ゴメンだからね。
…戦闘といえば、この子、私には襲いかかって来なかったな。
『ちゃんと分かってるみたいだね
猫さんだから臭いで?』
「?!」
クスクス……、分かってて聞く私もかなりイジワルだ。
『じゃ、またね。』
私は教会を後にした。あの預言書は誰のものになるのかな?
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