長編

□駒は踊る、ひとりでに
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『ここにあの預言書のカギがあるのか……。』


目の前にそびえ立つ教会。周りに人気はない。

私はトラップが無いか気にしつつ、正面から中へと侵入した。所々、戦闘痕があることからすると、既に奪い合いは始まっているよう。


『……ふふふ…、この血…』


地面に付着していた血を指ですくい、ペロリと舐めとる。


『必死だね…、月宮』


久しぶりに口にした、懐かしい妹の名前。まさかまだ生きてたなんてね。でもそろそろ寿命だ。

神の遺産を追ってるってことは、呪いはまだ解けていないってこと。もうすぐ死ぬんじゃないの?まぁ別にいいんだけどね、そんなことは。















『……………やあ、花村さん』


中から歩いててきた花村さんに声をかける。手ぶらなのをみると、カギは持っていない模様。

争奪戦に負けたのか。まさに負け犬だ。………かわいそうなので思っても言わないでいてあげる。


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