長編
□嗚呼、無行動、失笑
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さて、いったいどうしようか…?私はあの桃瀬っていう猫さんの影の中にいる。イマイチ出方が分からない。実力行使でなんとかなりそうだけど、正直めんどくさい。
あ、そういえば花村さんとははぐれた。てか真っ暗で何も見えない。
『はははっ………とばっちり』
自嘲的に呟いてみたけど返答など返ってくるはずもなく、それはただの独り言となった。
「―――――」
何か聞こえる。外の音か?
「――――ないだろ
――も姿も」
ザァー、と何かが消えるような音がした。姿って聞こえたから化けてたのか。バレたみたいだけど。
すると次の瞬間、何もないはずのこの空間が、揺らいだ。
『……行ったか…』
さて、私はどのタイミングで出ていこう…?
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