長編
□１日目
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ザー、ザー
降り続ける雨。その中に一人、傘も指さずに雨に打たれ続ける少年がいた。
「……………」
『どうしたの？』
ある少女が話しかけた。此方はきちんと傘を指さしている。
『……ずぶ濡れじゃん！！傘、貸してあげる！！』
と、少女は自らの傘を少年に差し出した。が、少年が全く受け取る素振りを見せないのを見て少女は、無理矢理傘を持たせその場を後にしようとする。
「……いらねえ」
少年はボソリと呟いたが、少女は“私はあの人に入れてもらうから！”と使用人らしき者に指を差して言い放ち、走っていった。
「…………この続様に無理矢理物を押しつけるとか、生意気！」
（その傘、どうなされたんですか？）
（どっかのお節介女に勝手に持たされた
明日直々に返しに行ってやる…！）