長編

□ふわり、手を貸しましょう
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『いったい何の用があって私を呼んだの?』



先日、携帯に珍しい人からの連絡が入った。

私を使うことなんて滅多にしないのに。そんな人からの呼び出し、何かあるに決まってるでしょう?




『ふふふ、皐からの呼び出しなんて珍しいわね
言っておくけど、内容によっては高く付くわよ?』


そう、皐からの連絡。番号を教えたかどうかは定かではない。けれど調べればそのくらい、すぐに分かるだろう。




「あるモノを取って来てもらいたい」

『あるモノ?』

「・・・・神の遺産だ」



やっぱり聖戦絡みみたい。本当は私に依頼なんてしたくなかったでしょうに。

桃瀬が居ないって事は既に別で動いているのよね。だから私を使う・・・・、自分で動けばいいのに。遺産目当ての連中が目を光らせてるからそうもいかないか。



「武器型の神の遺産、絶つもの―セイバー―だ」



『武器型?珍しいわね
・・・・・オーケー、引き受けるわ
その代わり次は私も交ぜてね?』




踵を返すと同時にヒラリと黒い羽が私を包む。

あまり長居をしても何か聞けそうにもないし、久しぶりだから武器の手入れもしなくちゃいけないかな。






『絶つもの―セイバー―
危険なモノに変わりはない、か・・・

最近刺激も足りなかったし、楽しみね』



トントンと軽快な足取りで薄暗い裏通りを歩いて行った。



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