<短編−弐−>

□強くありつづけて
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妖怪退治が怖いだなんて、少なからず思ったことはなかった。数多の妖怪を薙ぎ払い、退治してきた。旅をしていた時も、あの三年間も。まるでそれが当然のようになっていた。もう『慣れ』しまっていた。だから怖いなんてあるはずがねえ。


…そのはずだった……。


そう今は、些か怖いように思う。妖怪に殺られるとかそういうものから来る恐怖感ではなく、退治にしたって以前はがむしゃらに突っ走り、怪我を負おうが鉄砕牙を振り下ろしていた。だが、今は慎重になってきているような気がする。そして、弥勒から核心を突かれて、やはりなと己の行動を己で納得した。そう、その意味は…。


俺達は、生きて帰らないといけねえ。


前とは違って、俺の帰りを待ってくれているやつがいる。家に帰れば、かごめが笑顔で俺を出迎え、労りの声をかけてくれる。今では、妻と一緒にガキたちもそれに加わり、帰る度に抱き着かれる。全く嫌な気持ちはしない。寧ろ、今日も無事に帰って来られたことに、かごめを抱きしめながら安堵する。だが、予定よりも時間が長引き、帰りが遅くなった時、泣きながら俺の胸に飛び込んできたかごめ。抱きしめた身体はずっと震えぱっなしだった。


−……犬夜叉っ…よか…った。ぶ…じで、よかった…。


だから、死ぬわけにはいかねえんだ。日頃の鍛練だって、今よりもっと強くなるためでもあるが、生きて帰るためでもあると、思っている。

愛しい者たちが待つその場所に帰る。そして、守る。

それは限りない幸せに、違いない。



Fin



後書き

ネタ元は、EXILEの『もっと強く』、ドラマ版『海猿』と『252』に影響されていると思う…(^-^;独身と所帯を持っている者で考え方が違うということや、「生きて必ず、自分たちを待つ者のもとへと帰る」というのが、犬夜叉と弥勒さまに当て嵌まるかな〜と思いまして一気に書き上げました。妖怪退治も常に死と隣り合わせでしょうから。というか、また支離滅裂な小説になっちゃった…。そして、重いっ(>_<)

もう、笑って許してくださいorz

ここまでお読みくださり、ありがとうございました!




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