遥かなるトキ

□chapter 01
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夜―――……


夜間部の授業が始まる頃、黒主学園に一台の馬車が到着した



理事長室で優姫は自分の養父である黒主灰閻と零の狩りについて話していた


「この間零を行かせたことを怒っているのかい優姫。零はハンターの生まれだから遅かれ早かれああいう仕事が来たんだよ」


「義務だと言うんですか」


「零が人間として生きるためにはね…」


それでも納得のいかない表情を浮かべる優姫、理事長は編入生を案内するように頼んだ


「編入…生?」


「うん…本当はもっと前に来る予定だったんだけど、身体が弱くて山奥の別荘で今まで静養してたんだ…それと、もう一人でぃ――」


途中でドアをノックした音に理事長の話は遮られ、理事長はどうぞと招き入れた


ドアを開けて入ってきたのは――


「あの…こんばんは…」


白い制服に身を包んだ


「…………へ?夜間部…?」


紅まり亜だった


「彼女は紅まり亜。紅さんこちらはボクの娘の優姫」


「え!?あ…よろしくお願いします…」


「美味しそうな方…健康的で……」


「こらっ!それはこの学園では禁句!」


「あっ…!
ごめんなさい、よろしくね優姫さん」


まり亜がニコッと笑えば優姫もつられて笑う


「…紅さん、もう一人の子は?」


もう一人と聞いて夜間部に二人も編入してくるなんてと少し疑問に思った優姫


「あっ、それが…」


濁すまり亜にどうかしたかと理事長が尋ねると、いらっしゃいとドアの方に声をかけた


するとー恥ずかしそうに渋る様子で入ってきた少女――葉瑠の姿を見た優姫は驚いた


「で…昼間部!?」


まり亜とは逆の黒い−優姫と同じ昼間部の制服を身にまとった葉瑠の姿


顔はやや下を向いていてハッキリとは見えないが黒ぶちフレームの眼鏡に髪は後ろの下部で二つに結い下ろしていた


「こんばんは…」


「ごめんなさい、この子人見知りで…」


「…葉瑠です。緋桜…葉瑠。よろしくお願いします…」


葉瑠はそう言って頭を下げ優姫もついつられて下げてしまった


優姫が案内をするためにまり亜と葉瑠を連れて理事長室を出ていった


理事長は静かにその様子を見ていた




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