最終章

□第19話
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―――…


「…ただいま。」

「おう、お帰り。」


部屋に戻ると、いつも通りエドがいてあたしを迎えてくれた。
それを見て少し寂しくなった。
もうすぐ、この世界から消えてしまうんだと思って。

あたし達の記憶を対価にするということは、エド達の記憶は多分消さないんだろう。
それは、3人の心の中に何を残すんだろう。

寂寥か、迷いか、決意か…
それとも、何事も無かったように夢の中の出来事だったと記憶から削られてしまうのだろうか。


…そうなるのが、恐い。
あたしが今から行おうとしている事は、ただの"逃げ"だ。
エドの心の中に、思い出したくもなくなるような記憶を埋めようとしているのだ。



だから。



…だけど、許してほしい。
どうか、責めないでほしい。

あたしが迷いながら、寝ずに決めた事だから。


「……エド。」

「ん?」




…エド、エド…どうか…、どうか、許して。


















……大好き。





「――――――――。」






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