第2章
□第14話
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―――…
(綾乃Side)
12月25日、クリスマス。
うちとアルは、お嬢とロイと一緒に町にくり出していた。
「メリクリーッ!!」
「おー。」
もちろん、うちとお嬢の話題は若とエドのことだった。
「あの2人、ほんまくっつかへんよなー…」
「まどろっこしくてウゼェ…」
「まぁ、確かに。」
「「………υ」」
2人は苦笑いをするばかりで会話に入ってこようとはしない。
まず、ここにいない6人のうち2人の恋路に口が挟める2人ではないだろう。
クリスマスの少し前にあった体育会で、少しは若にアドバイス的なものは言えたような気はする。
端から見れば好き合ってるのも丸わかりなのに、当の本人達が気付いていないのがまたむず痒い。
しかも、幼馴染の直也の出現がまた話をややこしくさせて…
そんなことを考えていると、アルから声がかかった。
「ねえ、綾乃はさ、クリスマスプレゼントとか何欲しいの?」
「あー…扇子?」
「せんす?」
「そう、扇子。」
アルの世界には扇子がないのか、アルは小さく首を傾げた。
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