最終章

□第21話
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―――…


翌日、あたし達6人はあたしの家に集まった。
まあいわゆる、"真理についての作戦会議"…らしい。

会議名そのまんまじゃねぇか、とか思ったら負けだ、うn。

いつも通り、提案者は今ちゃんだ。


「真理は3人の夢の中に出てきたんだよな?」

「うん。
いきなり真っ白い空間が目の前に広がって、んでそこに真理がおった。」


ちょっと捕捉すると、思わずちょっとテンション上がりました、言わんけど。

今ちゃんも実香も同様の思いなのか、あたしらは視線を合わせて笑った。
エドは不思議そうにそれを見てから全員を見まわし、


「とりあえず、次に真理がいつ来るか分かんねぇ以上…覚悟はしとこう。」


全員がその言葉に頷き、部屋の中を静寂が包んだ。


パン、とその中であたしが空気を変えようと手を叩いて立ち上がる。


「ほな、しんみりすんのもなんやしお菓子でも食べよか?」

「さんせーい!」


きゃっほーい、と今ちゃんがはしゃぐ。


「めんどいから、みんな紅茶でえぇよね?」

「いーよ別に。」

「なんでもいいよ。」

「うむ。」

「紅茶好き〜♪」

「手伝う。」

「助かるw
ほな行こか、エド。」


エドと2人で部屋を出て、1階に降りて紅茶を入れる用意をする。
クッキーを大皿に並べてからティーカップにお湯を注ぎ、上に持って上がった。

すると…


「ちょお、アルかわいー!!~~」

「や、やめてよ綾乃ー!!///」

「アルフォンス…υ」


そう、今ちゃんとアルとロイの声が聞こえてからカシャーンと写真を取る音が聞こえ てきた。


「「…………?υ」」


やば…嫌な予感しかせぇへんねんけど …… υ

そう思いながらドアを開けると、そこに居たのは…女装…と言うか、あたしの服を着たアルだった。


「あ、真菜と兄さん!!///
助けて〜!!///」

「逃げるでない逃げるでないww」

「…何やってんねん…υ」


苦笑を浮かべながら机の上にお菓子とお茶を置き、そのまま5人に背を向けて引き出しの中を探る。


「「「「「??」」」」」


アルまで抵抗するのを忘れ、あたしの行動を見ている。

よし、そのままそのまま…

ピコン、とスイッチを入れ、そして振り返り…

パシャッッ!!


「うわっ!?」


フラッシュに驚いたのか、写真のアルは目を瞑っていた。


「ちっ…
フラッシュ消して設定で室内設定にして…
あ、連続シャッターでその後ムービーにして…よし。」

「いや、よしじゃないよ!!?」


アルが珍しく全力でツッコミを入れてあたしの手の中にあるカメラを取ろうとするけれど、今ちゃんと実香に押さえつけられてそれはかなわなかった。


「じゃ、ハイチーズ!!」


カシャカシャカシャッとフラッシュ無しの連射設定にしたカメラのシャッター音が部屋に響いた。

保存、と…

ほくほく気分でカメラを抱えていると、諦めてぐったりとするアルを支えている今ちゃんが輝く目で見つめてきた。


「なあ、今からうちの家行ってコスプレ大会(笑)しよか!!ww」

「「「!!?」」」

「お、いいじゃん。」

「今ちゃん家、行きたい行きたい!!」


コスプレパーティーいいじゃないか!!

こんなことやないと滅多に今ちゃん家とかいかへんし、良い機会やな。

あたしら3人が準備をしようと立ち上がった時、エドはあたしを、アルは今ちゃんを、ロイは実香を見た。


「俺は…行かねぇぞ!」

「却下☆
大丈夫やって、女装はせんでいいからww」

「綾乃…もう女装はいやだよ……」

「じゃあ、男キャラにするからえぇやろ?ww」

「私は…」

「あ、安心して。
来なかったら、警察にキッチリ突き出すから。」

「何だと…!?」


それぞれが個々の返事を返し、エド達も渋々ながら準備を始める。
紅茶だけ飲んでクッキーは箱に詰め持っていく事にして、家を出たのは昼前の11時半頃。

お昼を食べて今ちゃんの家に着く頃には1時を少し過ぎていた。






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