ダイヤのA夢
□知らない姿
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カキーン!!
ボールをバットの芯でとらえる音が鳴り響く。
さすが強豪校なだけあって皆すごい音させてるなぁ
そんなことを思いながら野球部のグラウンドの横を通る。
目的は……
結城哲也を見るため。
結城くんが野球部で四番ということは知っていた。
でもそんなことより結城くんの優しい人柄に惹かれて、結城くんのことを好きになり、告白してつきあい始めたのがつい最近のことだ。
友達から野球をしている結城くんを見るべきだとしきりに言われ、今日見に来た次第である。
へぇ…確かにすごいわ
このバケモノの中でも目立つって相当だなぁ
バケモノの中のバケモノ
「すごいでしょ、結城くん」
「……すごいね」
「たまに練習見に来るから知ってたんだよね、結城くんが素人目に見てもすごいこと。」
「あー伊佐敷くん見に?」
「ちっがう!!!」
「顔に正解って書いてあるー」
「/////もうっ!」
野球をしている結城くんを見るべきだとすすめてきた友達の美乃(よしの)と見に来たのだ。
美乃は伊佐敷くんと仲がよく、どう見ても好きなのだが、認めようとしない。