BLEACH夢
□強くなりたい理由
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机に向かう仕事はどうも性に合わなくて集中がとぎれてしまった。
弓親の野郎……
一時間ほど前、
「君だって三席なんだからちゃんと書類仕事してよね」
弓親にそう言われて机の上に書類を置かれ
「これ、終わらせずに帰ったりなんかしたら……わかってるよね?」
と言われて断ることも放り出すことも出来ず、一時間が過ぎた。
「あーあ。帰れっかな……」
弓親に渡された書類はまだ3分の1も終わっていない。
…茶でもいれるか
そう思い、皆帰ってしまって誰もいない隊舎を歩き、お茶を注いで席に戻る。
まじで誰もいねぇな。
そう思ってお茶を一口すすり、席に座って外を見る。
あ……神崎。
一角の視線の先には彼の想い人の神崎がいた。
友達と帰宅している途中のようで、何やら楽しそうに話していた。
やっぱかわいいな……
神崎は一角と同じ11番隊所属である。
11番隊は戦いを好む者が集まる隊ということもあり、女性隊員は少なく、神崎が入ってきた時も珍しがって他の隊の隊員までもが見に来たくらいだ。
神崎がかわいらしい容姿をしているということも手伝って当分は見物客の足が途切れることはなかった。
……俺が好きだなんて神崎は知らないんだろうな
神崎を眺めながらそう思う。
好きだと伝えようと思ったことは何度もある。
しかし、今の関係を壊すのが怖くなっていつも思いとどまってしまうのだ。
……今はそんなことより仕事やんなきゃ
神崎を見て元気が出たので、仕事にとりかかることにした。